所得税を計算し、確定申告書を提出すると税務署から市役所や区役所へ書類がまわり、住民税額が計算されます。個人の場合は都道府県民税と市町村民税のふたつがありますが、一括して市町村から納税通知書が送られてきて納付するしくみになっています。住民税の計算は所得税とほとんど同じ計算方法ですが、多少計算式が異なっています。なお、給与所得のみの方や、年金所得のみ方で確定申告書を提出する必要のない方については、会社等を通じて書類が市役所へ送られていますので通常の場合は住民税についても申告をする必要はありません。
住民税の納税義務
住民税の納税義務は翌年の1月1日にその市町村に住んでいる人に対して課税されます。従って、例えば、年の中途で死亡した人は、所得税では1月1日から死亡した日までの所得に対し所得税を負担しますが、住民税では翌年の1月1日に住所の有する人が納税義務者となりますから、死亡した年の所得に対しては税負担はありません。引越しなどで住所が変わることがありますが、住民税についてはあくまでも1月1日にどこに住んでいるかによってどこに納付するかが決まりますので、12月末に引越してその年の所得は引越し前の所で得た所得だとしても、引越し後の住所の市町村に対して支払います。
住民税の非課税
個人の住民税については世帯の人員によって非課税限度額が定められています。
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非課税限度額 |
| 均等割 |
所得金額 ≦ 35万円 × 家族数 + 加算額 19万円 |
| 所得割 |
所得金額 ≦ 35万円 × 家族数 + 加算額 32万円 |
| 加算額は、控除対象配偶者又は扶養親族を有する場合のみ加算 |
これらの非課税限度額については単に税金だけではなく、国民健康保険や老人保健等の給付にも関係してくるので注意が必要です。
住民税の納付の方法
住民税の納付の方法には2とおりの方法がありますが、基本的に自分で選択できるわけではありません。給与所得者については給料から控除する特別徴収が、その他の人については普通徴収により納付します。
普通徴収・・個人が自分で市町村に直接納付する方法
税務署に提出した確定申告書、会社の提出した給与支払報告書、個別に市町村に提出した申告書等に基づき、各市町村が計算した税額を記載した納税通知書に基づいて、6月、8月、10月及び翌年1月の4回に分けて各々市町村に直接納付します。
特別徴収・・会社が給料から控除する方法
特別徴収のしくみ
| (1) |
会社が毎年1月末日までに従業員の前年の給与支払報告書(源泉徴収票)を従業員が1月1日に住んでいる市町村に送付。 |
| (2) |
各市町村は送付された給与支払報告書に基づき各従業員の住民税を計算。 |
| (3) |
各市町村は毎年5月頃、各人の当年分の住民税の総額及び当年6月から翌年5月までに毎月の給与から控除する住民税額を勤務する会社に報告。 |
| (4) |
会社はその報告に基づいて毎月の給与から住民税を控除して翌月10日までに各市町村に納付。 |
特別徴収のしくみは上記のとおりです。この場合の納税義務は会社にあるので、会社が住民税を払っていなくても個人に対して罰則はありません。
なお、特別徴収の場合は逆算、あるいは市町村から送られてくる資料により、会社に従業員の所得がわかってしまいます。その会社の給与所得だけの場合は問題がないのですが、不動産の所得、サイドビジネスなどによる所得、土地を売ったりした場合の所得なども会社が知ってしまうことがあります。
そのため、確定申告書に「給与所得以外の所得」を特別徴収により納付するか?普通徴収により納付するか?を選択する項目がありますので、利用されると良いと思います。
住民税の税率(所得割)
住民税の基本的な計算は所得税とほとんど同じで、主に所得控除と税率に違いがあります。税率につきましては下の表のとおりです。
税額の求め方は「課税される所得金額」をこの表の「課税総所得金額(A)」欄に当てはめ,その当てはまる行の右側の「税率(B)」を「課税される所得金額」に掛けて,次に,その金額からその行の右端の「控除額(C)」を差し引いた残りの金額が住民税額となります。
「課税される所得金額(A)」に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てます。
なお、下の表では便宜上、都道府県民税と市町村民税を同じ表に記載しておりますが、実際は都道府県民税と市町村民税は別個に計算します。
| 課税総所得金額(A) |
道府県民税 |
市町村民税 |
| 税率(B) |
控除額(C) |
税率(B) |
控除額(C) |
| 2,000,0,00円未満の場合 |
2% |
0円 |
3% |
0円 |
| 7,000,000円未満の場合 |
8% |
100,000円 |
| 7,000,000円以上の場合 |
3% |
70,000円 |
10% |
240,000円 |
住民税の税率(均等割)
また、住民税には所得に対して課税される「所得割」のほか、世帯主に課税される「均等割」が法人の場合と同様に課税されます。
人口による区分 |
都道府県民税 |
市町村民税 |
| 標準税額 |
標準税額 |
制限税額 |
| 人口50万人以上の市 |
1,000円 |
3,000円 |
3,800円 |
| 人口5万人以上50万人未満の市 |
2,500円 |
3,200円 |
| 人口5万人未満の市町村 |
2,000円 |
2,600円 |
個人の都道府県民税・市区町村民税の所得控除額一覧表
所得税の計算と住民税の計算で大きく異なる部分が所得控除に関する金額です。多くの種類の所得控除項目は所得税よりも控除額が減少してしまっています。しかし、医療費控除などは同じ計算方法となっていますので、所得税の「節税」が住民税においても効果がでてきます。
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所得税の所得控除 |
住民税の所得控除 |
| 雑損控除 |
次の(1)と(2)のいずれか多い金額
(1)(損失額−所得金額の合計額×10%)
(2)(損失額のうち災害関連支出額−5万円) |
所得税と同じ |
| 医療費控除 |
(1)から(2)の金額を控除した金額(最高200万円)
(1)支払医療費−保険金で補てんされる金額
(2)10万円と所得金額の合計額の5%とのいずれか少ない金額 |
所得税と同じ |
| 社会保険料控除 |
支払保険料全額 |
所得税と同じ |
| 小規模企業共済等掛金控除 |
支払掛金等全額 |
所得税と同じ |
| 生命保険料控除 |
次の(1)と(2)の合計額(最高7万円)
(1)一般の生命保険料(次の(2)の個人年金保険料を除く。)の場合
15,000円までの場合・・・・・・・・支払保険料の全額
15,000円を超え40,000円まで・支払保険料×0.5+7,500円
40,000円を超え70,000円まで・支払保険料×0.25+17500円
70,000円を超える場合・・・・・・・35,000円
(2)個人年金保険料(疾病等特約部分を除くの場合
上記(1)の区分に応ずる算式によ計算した金額 |
次の(1)と(2)の合計額(最高7万円)
(1)一般の生命保険料(次の(2)の個人年金保険料を除く。)の場合
15,000円までの場合・・・・・・・・支払保険料の全額
15,000円を超え40,000円まで・支払保険料×0.5+7,500円
40,000円を超え70,000円まで・支払保険料×0.25+17500円
70,000円を超える場合・・・・・・・35,000円
(2)個人年金保険料(疾病等特約部分を除くの場合
上記(1)の区分に応ずる算式によ計算した金額 |
| 寄付金控除 |
特定寄付金の合計額と「所得金額の合計額の25%」とのいずれか少ない額−10万円
(1)国または地方公共団体に対する寄付金
(2)公益法人・特定公益増進法人に対する寄付金
(学校法人、社会福祉法人など)
B政治活動に関する一定の寄付金
C認定NPOに対する寄付金 |
次の寄付金の合計額と「所得金額の合計額の25%」とのいずれか少ない額−10万円
(1)都道府県・市区町村
(2)住所地の都道府県の共同募金、日本赤十字社への寄付金 |
| 損害保険料控除 |
(1)と(2)の合計額(最高10,000円
(1)短期損害保険契約の支払保険料
(1)1,000円までの場合・・・・・支払保険料の全額
(2)1,000円を超える場合・支払保険料×0.5+500円
(最高2,000円)
(2)長期損害保険契約の支払保険料
(1)5,000円までの場合・・・・・支払保険料の全額
(2)5,000円を超える場合・支払保険料×0.25+2,500円
(最高10,000円)
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(1)と(2)の合計額(最高10,000円
(1)短期損害保険契約の支払保険料
(1)1,000円までの場合・・・・・支払保険料の全額
(2)1,000円を超える場合・支払保険料×0.5+500円
(最高2,000円)
(2)長期損害保険契約の支払保険料
(1)5,000円までの場合・・・・・支払保険料の全額
(2)5,000円を超える場合・支払保険料×0.25+2,500円
(最高10,000円)
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| 障害者控除 |
27万円
特別障害者の場合 40万円 |
26万円
特別障害者の場合 30万円 |
| 老年者控除 |
50万円 |
48万円 |
| 寡婦(寡夫)控除 |
28万円
特別の寡婦の場合 35万円 |
26万円
特別の寡婦の場合 30万円 |
| 勤労学生控除 |
28万円 |
26万円 |
| 配偶者控除 |
一般 38万円
同居特別障害者 万円
(70歳以上の配偶者の場合)
一般 48万円
同居特別障害者 万円 |
一般 33万円
同居特別障害者 56万円
(70歳以上の配偶者の場合)
一般 38万円
同居特別障害者 61万円 |
| 配偶者特別控除 |
配偶者の合計所得金額に応じて
0円から38万円 |
配偶者の合計所得金額に応じて
0円から33万円 |
| 扶養控除 |
一般 38万円
16〜22歳以下 63万円
70歳以上 万円
70歳以上の同居父母 58万円
(同居特別障害者の場合)
一般 万円
16〜22歳以下 万円
70歳以上 万円
70歳以上の同居父母 万円 |
一般 33万円
16〜22歳以下 45万円
70歳以上 38万円
70歳以上の同居父母 45万円
(同居特別障害者の場合)
一般 56万円
16〜22歳以下 68万円
70歳以上 61万円
70歳以上の同居父母 68万円 |
| 基礎控除 |
38万円 |
33万円 |
その他
住民税についての配当所得の取扱は少額配当は総所得金額に含めず、源泉分離課税を選択した配当所得は含めることになっています。
この場合には確定申告書の住民税の欄の「配当に関する住民税の特例」欄に「確定申告した配当所得−そのうちの少額配当の金額+源泉分離課税を選択した配当所得」の金額を記載することによって市町村で計算が行なわれます。
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