![]() |
|
| 住宅を購入・新築、増改築を行う際に親から資金援助を受ける事があります。これらの資金援助は当然贈与税の対象となりますが、一定の要件に該当する場合には550万円まで贈与税を無税、1500万円までは贈与税の軽減措置を受ける事が出来ます。住宅取得資金の贈与ですから直接土地家屋の贈与を受けたような場合は特例の対象になりません。なお、居住するための住宅の取得を前提としていますから、敷地部分の購入資金については、家屋といっしょに購入する場合に限って含めることができ、土地だけを購入するための資金は特例の対象になりません。 住宅取得資金の贈与税の特例を受けた場合と受けなかった場合の税額の比較
1.適用要件 (1)資金を贈与する者は、贈与を受ける者の直系の父母や祖父母であること(義父母からの贈与は適用不可) (2)贈与を受ける者はその年の合計所得(※注)が1200万円以下であること。 (3)過去5年間に、本人や配偶者の所有していた住宅に住んでいないこと、または、過去5年間、本人や配偶者の所有していた住宅に住んでいた場合には、原則として贈与年の翌年12月31日までにその住宅を売却すること。 (4)過去にこの適用を受けていないこと。 (5)日本国内に住所を有する者であること。 (※注)合計所得金額とは所得税法における、総所得金額、特別控除前の分離長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、商品先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいい、純損失や雑損失などの規定による繰越控除などの適用を受けている場合には、その繰越控除適用前の金額をいいます。従って原則的には譲渡所得の特別控除前で所得を判定しますが、居住用財産の3,000万円の特別控除の特例を受けているときなどは特別控除後で判定するケースがあります。 また、合計所得金額が1200万円は給与所得者の場合給与収入が1442万円に相当します。 2.新築または取得(新築・中古)の要件 (1)新築住宅、または次の要件に該当する中古住宅であること。 a.耐火建築の家屋(マンション等)…25年以内に建築されたものであること。 b.耐火建築以外の家屋…20年以内に建築されたものであること。 (2)贈与を受ける本人の居住のための家屋で日本国内にあり、専用居住面積が家屋の床面積の2分の1以上のものであること。 (3)居住の用に供する家屋の床面積が50平方メートル以上であること。 (4)贈与を受けた年の翌年3月15日(贈与税の申告期限)までに居住すること、又は居住することが確実であると見込まれること等。 3.増改築の場合の要件 (1)工事費用が1,000万円超であること (2)増改築後の床面積が工事前の住宅の床面積より50平方メートル以上増加するものであること (3)贈与を受けた年の翌年3月15日(贈与税の申告期限)までに増改築を行い、居住すること、又は確実であると見込まれること等。 4.贈与税額の計算方法 住宅取得資金贈与は1年間の贈与税の基礎控除額110万円を5年分を一括して計算することによって基礎控除額部分を膨らませることによって税金の軽減を図っています。、「5分5乗」の計算方法によって贈与税を計算します。ここで「5分5乗」とは、住宅取得資金を5で割った金額から年間基礎控除額110万円を控除し、これに税率を乗じた金額を5倍したものを贈与税額とするものです。 具体的な計算式は次のとおりです。 {((住宅資金のうち1500万円までの部分の金額÷5)−110万円)×贈与税の税率}×5倍 例えば、1500万円の贈与を受ける場合(他の贈与がない場合)の贈与税額は次の通りです。 {(1500万円÷5−110万円)×(15%−7万5千円)}×5=105万円 5.適用後4年間の取扱 この特例はあくまで贈与税の基礎控除額110万円を5年分前倒しにして住宅資金の贈与を軽減するものですから、この適用を受けたときは、翌年以降4年間は、年間110万円の基礎控除部分はなくなってしまうことになります。 6.手続 贈与税の申告書に以下の書類を添付して、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに税務署に提出しなければなりません。 なお、住宅取得資金等の贈与税の特例は税額がゼロであっても必ず贈与税の申告書を提出しなければ適用はありません。 イ 住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算明細書 ロ 給与所得の源泉徴収票など所得証明書類 ハ 前5年間持家に住んだことがないなどの証明書・・賃貸契約書、持ち家を売却した契約書の写しなど 二 居住した日以後に作成された戸籍の謄(抄)本及び戸籍の附票の写し ホ 新築又は購入した家屋の登記簿謄(抄)本等 なお、住宅増改築資金の贈与を受けた人は,他に別の添付書類が必要となります。 7.特例が取り消される場合 適用要件の中に「贈与を受けた年の翌年3月15日(贈与税の申告期限)までに居住すること、又は居住することが確実であると見込まれること」という項目があります。つまり「見込み」であってもこの規定は適用できるのですが、なんらかの事情で贈与年の翌年12月31日までに居住できなかった場合には、この特例の適用が取り消されます。 同じく、「過去5年間、本人や配偶者の所有していた住宅に住んでいた場合には、原則として贈与年の翌年12月31日までにその住宅を売却すること。」という項目があります。実際に売却が済んでいる場合は問題ないのですが、贈与年の翌年末までに売却できなかった場合、あるいは予想以上に高額で売却ができてしまった、他の所得があったなどの理由で贈与を受けた方の所得要件である合計所得金額が1200万円を超えてしまうケースが考えられます。このような場合には残念ながらこの特例の適用が取り消されます。 取り消された場合には贈与年の翌々年2月末日までに税務署に住宅取得資金の贈与の特例を除いた形での修正申告書を提出し、増加した分の贈与税額を納付しなければなりません。 これらの「見込み」で適用を受ける場合には後日要件が揃った時点でその要件を証明する書類を税務署に提出しなければなりません。これらの書類の提出が贈与年の翌年12月末日までになかった場合には特例は取り消され、多額の贈与税を支払わなければならないのでご注意ください。 8.その他 贈与税では相続が生じた年に亡くなった方から贈与を受けた場合には、これを相続財産に加算して相続税の課税をすることになっていて、贈与税は課税されません。また、相続税では相続開始前3年以内の贈与財産については相続財産に加算し、相続税の税金計算をして既に支払った贈与税額についてはその相続税額から控除をすることになっています。その為、例えば、父から住宅取得資金1000万円の贈与を受けた年にその父が亡くなってしまったと言うような場合にはこの贈与税の住宅取得資金の贈与の規定は適用はなく、また、贈与後3年以内に父親が亡くなってしまった場合には結果として住宅取得資金の贈与税の特例の効果はなくなってしまいます。そして、その1000万円は金銭の贈与ですから相続税の計算では1000万円全額について相続税の課税が行なわれてしまいます。父の相続財産が相続税の基礎控除額以下であれば税金については問題がありませんが、相続税を支払わなければならないようなケースでは注意が必要になってきます。 その他、敷地が定期借地権になっている場合などは当然ながら計算が複雑になり、結果として適用できない部分がでてきてしまい贈与税の負担が生じてしまうケースや、あるいは住宅借入金と住宅取得資金の贈与との合計額が住宅取得の為の金額を超えるようなケースなどは同時適用ができない場合もありますので注意が必要です。 9.添付書類 住宅取得資金の贈与の特例を受ける際には、確定申告書のほか、次のような添付書類が必要となります。 1.その年の所得を証明する書類 確定申告書のコピー、源泉徴収票等 2.過去5年間の居所の証明(本人や配偶者の所有していた住宅に住んでいないことを証明する書類) 賃貸契約書のコピー、社宅証明書、住民票の除票等 3.新しい住所地での住民票 4.取得した建物の登記簿謄本(登記事項証明書) 5.戸籍謄本 6.建築請負契約書など |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
免責事項 |